家電店で一際異彩を放つPOPが並ぶのが「炊飯器」コーナーである。テレビの家電芸人も近頃のイチオシは、やはり炊飯器。様々な機能付きのものや独自釜が登場し、世は炊飯器の戦国時代の様相を呈している。 例えば、米を炊く釜ひとつとっても、本炭釜、蓄熱ダイヤモンド銅釜、鍛造ダイヤモンド銀釜、匠純銅、真空かまど釜、蒸気リサイクル等々。それに伴って炊き方もまた様々で、おどり炊き、炎IH、真空圧力炊き、スチームIH、極め炊き、超音波炊きと、こちらも格闘技の決め技のようなネーミングが並ぶ。 これらの特長を、他の炊飯器のPOPに負けないお客様の目に留まるPOPで表現することになると、勢い写真の電飾のようなものまで登場することとなる。 選ぶお客の方にしてみてもタイヘン。どれがおいしく炊けるのか、「これも良さそうだし、あれもおいしく炊けそう」と、どうにもこうにも判別がつかない。 「えーい! POPで目立っているものなら間違いないはずっ!」と、見た目の印象で決めたくなってしまう。 やはり、POPは重要ってことなのだ。 スポンサーサイト
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長期に渡る景気低迷で、どこの業界も必死な状況である。そしてもう一つ。地球規模での環境問題が取りあげられる中、企業もまたエコをキーワードにした製品開発や企業活動が大きなテーマとなっている。 例えば、売り上げ低迷な車業界にあって、地球にやさしいハイブリッド車は生産が追いつかない状況。購買時点でのお客の商品購買の選択の条件に、エコなもを…との考え方が確実に根付いてきている。 POPしかりで、商品PRにエコの訴求は大きなポイントを占めている。というより、これからの時代、エコを取り入れた製品でなければ見向きもされなくなるのではないだろうか? ただ、一口にエコといっても、おおよそのイメージはつくものの、どれをとってエコなのか?とか、商業主義の道具になっているのではないか、との批判の対象になっていることも事実だ。 エコと呼べるものが入ってナンボの新製品。どれだけ人や地球にやさしいのか? POPはそれらの情報をどう分かりやすく伝えるかが課題である。できれば、そのPOP自体がエコなものであることが望ましいのだろう。
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POPは、とかく髭剃り後におこるヒリヒリが、この商品を使うことによって「逆剃りしてもヒリヒリしにくい」ことをメッセージしている。これだけなら、どこにでもある普通のPOPなのだが、何やらPOPの真ん中にカーブミラーのようなものが付いている。 しかも、その円形の下の部分には人の手まで添えられている。 このPOPの正面でPOPの方を見てみると、そこにはなんと自分の顔が映っているではないか! ちょうどアゴのあたりを手で撫でているオマケつき。自分の顔がこのミラーに映り、そこではじめて完成するPOPという訳だ。憎いばかりの演出! このPOPのように、意外性のあるものは印象に残る。延いては、商品の売り上げにも関係してくるということだ。 |
販売店におまかせで売れていく商品であれば問題はないのだが、イメージが売り上げに大きく関わるような化粧品などの場合、このように販売展示も兼ねたディスプレイ台+POPが使われる。 |
上のPOPが訴求する商品は、歯槽膿漏予防のための商品である。どうしても、歯や歯ぐきを写真などで見せるかイラストなどで表現するパターンになりがちだが、このPOPは、歯をイメージした立体的な造形物になっている。生々しい写真などを使うより、よほどスマートで説得力があり効果的だ。ただ、製作費は結構かかってそうだが…。 歯槽膿漏に限らず歯のことを気にかけている人が多い中、歯の模型が目に飛びこんできた段階で、大抵の人は注目する。制作者の狙い通りだ。 模型がアイキャッチになったPOPの典型的な成功例といえる。 |